大阪朝鮮学園補助金裁判(9)

4 争点3(本件A市確認請求に係る確認の利益の有無)について (1) 確認の利益について 上記3のとおり,本件A市補助金はA市要綱に基づいて交付されるものであり,法令等を直接の根拠とするものとは解されないところ,A市要綱は,被告A市の内部における…

大阪朝鮮学園補助金裁判(8)

第3 当裁判所の判断 1 原告による追加的併合について 原告は,本件各取消等請求に係る訴訟に行政事件訴訟法19条の追加的併合によりその余の請求に係る訴えを提起しているところ,追加的併合が認められるためには,基本となる取消訴訟が適法であることが…

大阪朝鮮学園補助金裁判(7)

(10) 争点10(本件A市不交付における手続的違法の有無)について (原告の主張) 以下の事情に照らせば,本件A市不交付は,その手続経過にも違法があるから,違法なものとして取り消されるべきものである。 ア 被告A市は,申請から60日以内に結論を出す…

大阪朝鮮学園補助金裁判(6)

大阪朝鮮学園補助金裁判(9) 争点9(A市要綱交付対象要件充足の有無)について (原告の主張) 後記アのとおり,原告は本件A市補助金を受けることについて権利・利益を有しており,また,後記イのとおり,平成24年3月27日付け改正によりA市要綱2項に付…

大阪朝鮮学園補助金裁判(5)

(5) 争点5(本件A府不交付における手続的違法の有無)について (原告の主張) 被告A府は,A府行政手続条例において,申請に対する処分をするに当たり,審査基準を具体的に定め,予め公にしておくことが求められている(5条)。しかし,被告A府は,原告…

大阪朝鮮学園補助金裁判(4)

(被告A府の主張) ア 本件A府不交付について 地方公共団体が、本件A府補助金を交付するかどうかを決定するに当たっては、合理的な裁量の範囲が認められるべきであるところ、被告A府がA府交付規則及びA府要綱を定め、これらに従って本件A府補助金の交付の…

大阪朝鮮学園補助金裁判(3)

(4)争点4(A府要綱交付対象要件の充足の有無)について (原告の主張) ア(ア)原告が運営する外国人学校のうち、D・E級学校については、教室及び職員室からも肖像画を撤去するなどしていた上、Yは、原告の生徒らの祖国が主催する行事であって「特定の政治団体」が…

大阪朝鮮学園補助金裁判(2)

3 争点 本件における主要な争点は,以下のとおりである。なお,被告A市は,この他,原告が,被告A市に対する当初の本件A市取消等請求に,各予備的請求を追加的に併合することが法律の要件を欠き許されないと主張する。 (1) 本案前の争点 ア 被告A府関係 本…

大阪朝鮮学園補助金裁判(1)

平成29年1月26日 大阪地裁 第7民事部判決 (平成24(行ウ)補助金不交付処分取消等請求事件)朝鮮学園補助金裁判の判決文が[判例watch]で4月5日掲載されました。 http://kanz.jp/hanrei/data/text/201701/086663_hanrei.txt[いち在日朝鮮人kinchanのかなり不定…

朝鮮学園の裁判

街頭宣伝差止め等請求控訴事件 大阪高等裁判所 平成25年(ネ)第3235号 平成26年7月8日 大阪高等裁判所第12民事部判決言渡 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,被控訴人の請求は原審が認容した限度で理由があり,その余は理由がないものと判断する。その理由は,…

判決文が見当たらない。

神戸長田区小1女児殺害事件 ・神戸地裁の裁判員裁判で死刑判決(2016/03/18) ・大阪高裁で1審破棄し無期懲役判決(2017/03/10) どちらも、最高裁のホームページにも無い。 大阪朝鮮学園の補助金裁判の判決も見当たらない。 [いち在日朝鮮人kinchanのかなり不定期…

中年童貞の増加…政治が解決すべき時代かも?

ルポ 中年童貞 中村淳彦/ 著 書籍分類: 新書 価格: 800円(税別) 判型: 新書 発売日: 2015/01/30 性交渉未経験の男性が増えている。30歳以上未婚男性の4人に1人が童貞。この割合はここ20年間上昇を続けている。 オタクが集うシェアハウスで理想の女の子の絵を描き続ける3…

福岡と大阪 二つの朝鮮学園補助金裁判

新逆ですけどね。福岡は…「補助金を止めよ! 支払い済みを返還請求せよ!」大阪は…「補助金停止を取り消せ! 停止分を支払いせよ!」どちらも原告敗訴【1】 [いち在日朝鮮人kinchanのかなり不定期更新日記]http://d.hatena.ne.jp/dattarakinchan/mobile?gui…

政策実現における「訴訟」の機能(2)

4-3 和解 訴訟において裁判所による判決ではなく、当事者同士の互譲(譲り合い)によって 解決しようとすることである。民事上では当たり前のように行われるが、行政はそれ ができないと言われている。 (1) 取消訴訟における和解をめぐる議論状況 通説…

政策実現における「訴訟」の機能(1)

www.gscc-upp.jp/workshop/doc/workshop_2013_15.pdf 都市公共政策ワークショップ?U 議事録 開講日:平成25年10月18日(金) 講 師 :横田明美先生 千葉大学法経学部総合政策学科政策実現における「訴訟」の機能はじめに 横田先生が執筆中の論文「義務付け訴訟の機能−…

大阪朝鮮学園補助金裁判

[産経WEST]2017/01/16より引用開始 ※※※※※※※※※ 補助金支給「要件満たさぬ」大阪朝鮮学園の請求を全面棄却 大阪地裁判決 朝鮮学校への補助金支給を打ち切られ、学ぶ権利を侵害されたとして、大阪府下で初中高級学校など10校を運営する学校法人「大阪朝鮮学園」(…

福岡朝鮮学園補助金差止返還訴訟・控訴審(2)

第 3 当裁判所の判断1 当裁判所も,訴人らの請求はいずれも棄却すべきものと判断する。 その理由は,原判決10頁19行目の「本件A学園」から同20行目の「というべきであり」を「本件A学園の設置する各種学校が政治教育その他政治活動をしていても,同法14条…

福岡朝鮮学園補助金差止返還訴訟・控訴審(1)

福岡高等裁判所平成25年(行コ)第11号[教育振興費補助金支出取消等請求控訴事件] 平成25年7月17日 福岡高等裁判所第4民事部判決言渡主 文 1 本件控訴をいずれも棄却する。 2 控訴費用は控訴人らの負担とする。事実及び理由 第 1 本件控訴の趣旨 1 原判決を取…

福岡朝鮮学園補助金差止返還訴訟(3)

第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(本件支出負担行為の教育基本法14条2項違反の有無)について (1) 原告らは,本件朝鮮学園は,特定の政党を支持し,又はこれに反対するための政治教育その他の政治的活動をしているところ,このような教育に対する公金支出は…

福岡朝鮮学園補助金差止返還訴訟(2)

4 争点 (1)本件支出負担行為の教育基本法14条2項違反の有無 ア 原告らの主張 本件朝鮮学園は,特定の政党を支持し,又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしており,このような教育に対する公金支出は,公権力による政治教育に対する加担を…

福岡朝鮮学園補助金差止返還訴訟(1)

福岡地方裁判所 平成23年(行ウ)第25号[教育振興費補助金支出取消等請求事件] 平成25年2月15日 福岡地方裁判所第3民事部判決言渡 判 決原告 馬場能久他18名 原告ら訴訟代理人 弁護士 森統一 同 中島繁樹 同 堀孝之 福岡市博多区末公園7番7号被告 福岡県同代…

外交公館前の造形物設置「望ましくない」=韓国外交部 ※朝鮮日報

【ソウル聯合ニュース】韓国外交部は23日、釜山の日本総領事館前に設置された旧日本軍の慰安婦被害者を象徴する少女像について、像の位置が外交公館の保護に関する国際慣行の面で望ましくないとの立場を示した。 趙俊赫(チョ・ジュンヒョク)報道官は同日の…

中国残留日本人孤児訴訟の判決要旨(2)

第3 帰国孤児の自立支援に向けた政府の責任について 1 政府は,日中国交正常化後,残留孤児の帰国支援に向けた政策の遂行を怠り,かえって本件帰国制限を行うなどして,いたずらに残留孤児の帰国を大幅に遅らせた。残留孤児の大半が,永住帰国時,日本社会への適…

中国残留日本人孤児訴訟の判決要旨(1)

−中国残留日本人孤児訴訟の判決要旨− 2006年12月 1日 神戸地方裁判所 平成16年(ワ)第835号 平成16年(ワ)第1485号 平成17年(ワ)第1026号事件について当裁判所は,平成18年12月1日午前10時,原告番号19,43,44及び65の4名を除く原…

在日コリアン人権運動の理論構築について(21)

結論 民族差別撤廃運動が停滞した基本的要因は、支配権力の支配と強制、それにもとづく既得権の肥大、多数派国民による少数派国民に対する差別と排除という基本的構造にメスを入れないことに根本問題がある。この構造は「私発見」という多文化共生論によってつねにご…

在日コリアン人権運動の理論構築について(20)

第6章 具体的課題6.1 運動体の財政確保―企業からの資金提供について― 民族差別撤廃運動を展開し、闘争に勝利するには、当然のことながらそのための財源が必要である。組織構成員の会費で賄う場合もあるが、会費で事務所経費、人件費を賄うことはできない。たし…

在日コリアン人権運動の理論構築について(19)

5.2 多文化共生論の登場 多文化共生は当初、共生という単独用語で使用され、主として生物学の用語として存在していた。1980年代から外国人労働者受け入れ問題の議論を契機に、社会問題において使われ始め、その後マイノリティ問題全般に広がった。新聞紙上に登場…

在日コリアン人権運動の理論構築について(18)

5.2 多文化共生論の登場 多文化共生は当初、共生という単独用語で使用され、主として生物学の用語として存在していた。1980年代から外国人労働者受け入れ問題の議論を契機に、社会問題において使われ始め、その後マイノリティ問題全般に広がった。新聞紙上に登場…

在日コリアン人権運動の理論構築について(17)

第5章 多元化民主主義か多文化共生か 5.1 問題意識 1995年民闘連は、4年にわたる改革論議を経て、組織改革を断行した。民闘連をいったん解散し、即日在日コリアン人権協会を結成したのである。民闘連の解散にあたっては、民闘連の一切の業務を在日コリアン人権協…

在日コリアン人権運動の理論構築について(16)

オ.少数派国民(コリア系日本人)として生きる 在日コリアンが日本国籍を取得すれば日本の憲法を尊重する義務を負う。反対論者が主張する日本国籍による同化とは、帝國憲法下で在日コリアンが主権者たる天皇の下の臣民であったという歴史的経験に基づくもの…