朝鮮学園の裁判

街頭宣伝差止め等請求控訴事件
大阪高等裁判所 平成25年(ネ)第3235号
平成26年7月8日 大阪高等裁判所第12民事部判決言渡


第3 当裁判所の判断
1 当裁判所も,被控訴人の請求は原審が認容した限度で理由があり,その余は理由がないものと判断する。

その理由は,2のとおり原判決の補正をするほかは,原判決の「理由」中の第1ないし第8(原判決40頁11行目から90頁末行まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。

2 原判決の補正
(1)原判決40頁13行目の「55」を「54」に改め,「83,」の次に「87,」を加え,15行目の「乙1,」を「乙」に改め,18行目の「被告m,」を削除する。
(2)同41頁21行目の末尾で改行して,次のとおり加える。
「(5)本件学校の事件当時の児童・園児数は134名,教職員数11名であった。児童らの国籍は,北朝鮮籍59名,韓国籍56名,そのいずれかの国籍と日本国籍との二重国籍7名であった。」


(31)同88頁25行目の末尾で改行し,次のとおり加える。
「(4)被控訴人は,その人格的利益の内容として,学校法人としての存在意義,適格性等の人格的価値について社会から受ける客観的評価である名誉を保持し,本件学校における教育業務として在日朝鮮人の民族教育を行う利益を有するものということができる。一方,本件活動は,被控訴人の本件学校における教育業務を妨害し,被控訴人の学校法人としての名誉を著しく損なうものであって,憲法13条にいう「公共の福祉」に反しており,表現の自由の濫用であって,法的保護に値しないといわざるを得ない。」


教育振興費補助金支出取消等請求控訴事件
福岡高等裁判所平成25年行コ第11号
平成25年7月17日第4民事部判決

教育基本法14条2項の趣旨は,公の性質を有する学校教育法上の学校において,その政治的中立性を確保するため,学校教育における党派的政治教育を禁止するというものであるところ,本件A学園が設置した各種学校には教育基本法14条2項の適用はなく,また,各種学校の党派的政治教育を禁止した規定も私立学校法及び私学助成法上はなく,具体的な教育内容は各種学校に委ねられている。そして,前記認定のとおり,上記補助金は,国際化が進む中,県内にある外国人学校と県民等との交流を通して学校の教育活動等を推進するため,その経費の一部を支援するものであること,私学助成法10条等に基づき,本件要綱による上記補助金交付が長期間にわたって行われてきたことが認められる。