2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧
川口氏から直接お聞きした内容を含めて、終章「私と『白鳥事件』」に述ベられている氏の「日本追放」までの経過を、簡単に整理してみよう。 川口氏は1921年、北海道上川郡上士別村に農家の四男として生まれ、小学校高等科を卒業後、農業に従事していたが、戦時中一時横…
57年の夏、川口夫妻は人民大学分校にいた200人余の日本人と共に、重慶に移動した。書名の『流されて蜀の国へ』の旅である。7日間の汽車の旅ののち、重慶に着き、その郊外の歇台子にある「中共中央第七中級党校」に送られる。 本書の第二章「重慶市歇台子で」と第三章…
「現代史への一証言ーー川口孝夫著『流されて蜀の国 へ』を紹介する」 (『労働運動研究』1999年6月 札幌学院大学名誉教授 中野徹三) 〔目次〕 1、白鳥事件党員の犯行を裏付け 元共産党軍事部門幹部が証言 2、「大躍進」から「文革」までを体験 3、誰の罪か?―「追放…
第5章 再発防止の重要性1 以上検討してきたように、軍隊による国の直接的な虐殺行為はもとより、内務省警保局をはじめとする国の機関自らが、朝鮮人が「不逞行為」によって震災の被害を拡大しているとの認識を全国に伝播し、各方面に自警の措置をよびかけ、民衆に…